車中泊でエコノミークラス症候群にならないためには
災害時の車中泊で問題になるのがエコノミークラス症候群です。
2016年4月14日から続いている熊本地震でも、車中泊が原因でエコノミークラス症候群になった方が多く見られています。残念なことに死者まででてしまいました。
50代と60代の女性3人が肺塞栓(そくせん)症(エコノミークラス症候群)と診断され、意識不明の重体で入院していることが18日、わかった。いずれも車中泊が原因とみられる。
自宅や避難所の耐震性への不安やプライバシーの問題などがあり、緊急対策として自家用車で寝ている方も多いと思います。
前もって準備をしていないけれど車中泊をすることになってしまった方へエコノミークラス症候群の対策を紹介します。
水を飲んで足を動かす
まずは【水を飲んで足を動かす】ということを意識してみてください。
エコノミークラス症候群の対策として専門家は以下のように解説しています。
小まめに水を飲み、歩いてほしい。雨で歩くのが難しければ、足首を回すなど足の体操やふくらはぎのマッサージを
医療用の「血栓予防用弾性ストッキング」も有効ですが、使用には注意が必要です。
足の外側から適度な圧力を加えることで血流を改善し、血が固まるのを防ぐ仕組みで、手術後などに使われる。
「着用の仕方によっては床ずれの恐れもあるため、医師の指導下で正しく着用する必要がある。今回は現場からの情報がなく、どう動けばいいか分からない」
後列シートを倒して荷室を広くする
車中泊でエコノミークラス症候群になってしまう原因は『長時間同じ姿勢で居続ける』ために血液の流れが滞ってしまうことです。
運転席や助手席をリクライニングさせただけで眠ろうとしたり、寝がえりのうてないような狭い所で寝ると、どうしても長時間同じ姿勢を取り続けるので、発症の危険が高くなってしまいます。
可能ならば後列シートを倒して荷室を広くすることをお勧めします。
ステーションワゴンやSUV(クロカン)なら後列シートを倒すことで、荷室を広くしてベッドのように使う事ができます。
(フィットシャトルの荷室です)
ミニバンならシートアレンジで「フルフラットモード」にできる車種もあります。
(3代目アルファードのフルフラットモードです)
荷室を広くしてエアマットや布団を敷き、あなたの車の荷室を出来る限り快適なベッドにしてください。普段ベッドで眠る時の姿勢を作るのがポイントです。
足を伸ばして寝返りをうてるようなベッドを作れば、過酷な車中泊生活は大きく改善します。
タオルなどで工夫してデコボコを埋める
フラットになるとはいってもある程度は凸凹ができてしまいます。凸凹が克服するのが難しいため、前もって準備していないと快適な車中泊にはならないのです。
災害などの緊急時なら段ボールやバッグなどを使って隙間や段差を埋めてください。これだけで大きく違ってきます。
お風呂用のマットや汚れてしまったトレーナーなども役に立ちます。
荷室で横になれない車種の場合
一部のセダンはトランクスルーになりますが、多くのセダンはトランクと乗員室内を繋げることができません。
荷室がとても小さい軽自動車なども荷室を広くして寝ることは難しいです。
そのためにセダンや小さな軽自動車で車中泊する場合は助手席や運転席を使うのが最良の選択肢になってしまいます。(それゆえエコノミークラス症候群になってしまうのでしょう)
そんな場合は最初に紹介した【こまめに水を飲んで足を動かすこと】を徹底してください。そして長時間窮屈な姿勢をとらないようにしてください。
【NHK:防ごう! エコノミークラス症候群】
【特設サイト:防ごう!エコノミークラス症候群】
熊本県地震の被災地で、深刻な被害が広がりつつあるエコノミークラス症候群についてのニュースと、防止策についての特集サイトですhttps://t.co/hBNwDiirM9— NHK生活・防災 (@nhk_seikatsu) 2016年4月22日
まとめ
前もって準備をしていない車中泊対策として以下の2点を紹介しました。
・運転席や助手席で寝るしかないなら『こまめに水を飲んで足を動かす』
・できれば後列シートを倒して荷室を広くするなど『足を伸ばして寝返りをうてるようなベッドを作る』
車中泊は工夫が大切です。荷室がフラットにならない車でもデコボコを解消する工夫次第で車中泊が出来るようになります。
なお、このサイトでは車中泊に向いている車種を紹介しています。
快適に車中泊できる車種を選ぶことが災害時に役立ちますから、よろしければ車中泊に適した車についてもご覧ください。
熊本地震の被災者のみなさまへ
疲れていると思いますがなんとか乗り切ってください!募金とふるさと納税くらいしかできていませんが応援しております!
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2016/04/22